近年のソフトボールのピッチャーは、ウインドミル投法を2ステップで行う選手が主流となりつつあります。
数年前まで2ステップは、日本のソフトボールのルール上では違反投球とされていましたが、男子の場合ですとニュージーランドやオーストラリア、カナダといった世界的な強豪国のピッチャーのほとんどが2ステップでの投球であり、それらに今後対抗していくために日本でも国際ルールに則る形で改められたと考えられます。
ともあれ現在では日本でも堂々と2ステップでのピッチングを行なっていいルールとなっています
いいことだらけの2ステップ
そんな2ステップでのピッチングの特徴は、前に足を踏み出す際、スキップの要領で蹴り出した足で再度着地し、そのあとに踏み出す足を着くという投球フォームとなります。
そのため通常のステップと比較してプレートから最終的にリリースするまでの移動距離が伸び、バッターにより近い位置からボールを投げることになります。
2ステップの利点は、何と言っても容易に球速が向上することでしょう。
なぜかと言うと、一歩で飛ぶ際は多少なりとも蹴り出す足の側(後ろ足)に体重が残りがちとなりますが、2ステップの場合はジャンプ中に既に、後ろ足が前足側への引き付けを完了させることが可能なため、体重移動がとてもスムーズな分、勢いがボールに乗り、球速が向上します。
また、ステップの距離が伸びるため、リリースポイントとホームベースまでの距離が近づき、体感速度も大幅に上がることでしょう。
さらに、理想的なリリースのフォームを容易に取りやすいため、変化球などの持ち球のキレや変化量も大きく向上することが期待されます。
では、欠点はないのか?
2ステップでのピッチングフォームは、世界のプレイヤーがさらなるレベルアップや理想のフォームを追い求めてたどり着いた形でもあるので、欠点らしい欠点というのはあまり存在しないように思います。
ただし強いて挙げるとすれば、このフォームを習得するための難易度が高いことにより、一連の動作のタイミングが一致しなければ、コントロールが極端に崩れる一面があると考えられます。
ジャンピングを伴うフォームとなりますので、動作の精度が求められるため、下半身の安定感は通常のフォーム以上に重要になってきます。
おわりに
ソフトボールにおける2ステップでのピッチングについて、その特徴をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
これからピッチャーを目指す方やレベルアップをしたい方も、一度挑戦してみてもいいかもしれません。
ただし、そんな魅力ある2ステップも必ずしも正であるとは言い切れません。
人それぞれに適合するフォームというものがありますし、通常のフォームで大成しているピッチャーも数多くいます。
大切なのは自分に合ったフォームを手に入れることなのをお忘れなく、練習に取り組んでいただければと思います。