ソフトボールのキャッチャーには、とても多くの要素や能力が求められるのはいうまでもありません。
投げる場所を大きく見せる構え方、ボールを受ける際のキャッチング、素早い動きを伴うスローイング、機敏なバント処理やベースカバー、バックホームのボールに対する取り方・位置取りなど、キャッチャーの動きに関するポイントだけでも相当な要素があり、チームで一番忙しい、影の立役者でもあります。
そんなキャッチャーは魅力や醍醐味もたくさんありますが、悩みも尽きないポジションともいえるでしょう。
今回は、そういった動きの部分以外の、考えられるキャッチャーになるための「頭」の部分について、ソフトボールのキャッチャー指導のコツをお伝えしていこうと思います。
結果から過程を考えさせよう
まずはリードに関するお話ですが、キャッチャーはとにかく、ピッチャーをいい気分で投げさせて持ち味を最大限に引き出すためのリードが必要です。
ですからキャッチャーのリードは、ピッチャーの人数によって無数のパターンがあり、なおかつバッターを打ち取る重要な要素となってきます。
リードによってバッターを打ち取る際のコツとして、まずはどうなって打ち取れたかという結末をイメージし、そこからストーリーを組み立てていくことが挙げられます。
行き当たりばったりのリードですと、その打席の組み立てどころか試合全体の組み立てが崩れる可能性もあります。
バッターを打ち取る方法について思考を巡らす力を身につけさせましょう。
守備位置や野手の取るべき行動を指示させよう
様々なバッターとの対戦経験によって、ある程度リードに関しての組み立て方が固まってきたら、守備位置もより細かく指示させるようにしましょう。
ソフトボールは打球がフェアゾーン内の守備のいない場所に落ち、その間に進塁できればヒットとなりますが、キャッチャーの守備位置の指示によって、それをアウトにも変えることが可能です。
もちろん、大胆なシフト変更は却って危険ですが、自分のリードの組み立てにより飛んでいく方向にいる守備者へ「そっちに打たせるぞ」と気をつけさせるだけでも大分変わってきます。
また、試合の状況やケースによって、守備者が取るべき行動を指示することを怠らないよう指導しましょう。
その呼びかけにより、キャッチャー自身も次に自分が何をするべきかを再確認することもできます。
おわりに
ソフトボールは8割以上がピッチャーで決まると言われるスポーツですが、キャッチャーという要素を抜きにして試合は成り立たないほど、キャッチャーの存在や役割は大きなものです。
その責任あるポジションについて指導を行う場合は、試合状況や対戦相手、ピッチャーや野手のことを常に考えて行動することを促しつつ、その見返りでもあるキャッチャーの魅力や醍醐味を存分に伝えてながら指導していただきたいと思います。