野球にはないソフトボールならではのスラップ。
どんなプレーなのかというと、おもに左バッターがバッターボックス内をステップしながらボールを打ちその勢いのまま走っていくプレーです。
動きながらのバッティングでフライにしてはいけない、そして打球は出来るだけ高いバウンドで三遊間方面に打つ難しいプレーで、足の速い左バッターにとても有効で相手の意表もつくプレーです。
このスラップの練習法と試合での有効性についてお話ししたいと思います。
スラップの試合での有効性について
ソフトボールは野球と比べ塁間が短いので野手のほんの一瞬のミスでセーフになる確率が高くなります。
バントやスラップの処理で少しでも野手のスタートが遅かったり、ファンブルしたり持ち替えていたりしたら間違いなくセーフになります。
タイムは日本リーグ選手参考ですが、右打者が普通に打撃をしてから走ると3秒後半から4秒かかり、左打者だと3秒代半ばです。
しかし本塁から1塁までの距離を、左打者がセーフティーやスラップをして走ると、2秒後半から3秒前半で1塁に着くことができます。
上のタイムを見てのとおり、スラップはセーフになる確率は高くなり有効だと考えられます。
またスラップは、相手の守備からするととても嫌な攻めです。
サード、ショートは捕ってすぐに投げることを意識しますし、ピッチャーもそれは一緒です。
一度スラップを決めると、相手の頭にはスラップと痛打の二択がちらき、とても判断がしづらくなります。
スラップだと思ったら次はセーフティーバント、バントやスラップ警戒中に盗塁、もしくはヒットエンドランなど相手の守備を混乱させることができます。
何をするかわからない、攻撃が多彩にある、機動力を使うなど相手に意識させることで混乱させ、ミスを誘います。
相手に選択肢を絞らせない攻め方でイニシアチブを握るのに、スラップという攻め方は、試合でとても有効です。
またスラップをするぞと意識させ、追い込まれてからもストライクを当ててファールして、次でボールを投げさせるというのも相手ピッチャーにプレッシャーをかける心理作戦になります。
しかし、右も左もスラップは有効かというと左打者に比べ、右打者にはあまり有効ではありません。
どうしてかというと打って腰の回転を戻してから走る右打者より、打つときに腰が右に回転している左打者は打ってからの一歩、つまりスタートが早いくて右打者より一塁が近いからのでより有利になります。
タイムにも出ていますが、どうしても右打者より左打者のほうが本塁から一塁までの到達タイムは早くなるのです。
ですので、スラップが有効なのは左打者です。
スラップの練習法
まず、左のバッターボックスの一番後ろに立ち構えます。
ピッチャーが投げ始めたら重心を前足に移していき、左足をクロスさせて体のひねりを作りバットを振りだします。
走塁の一歩を出しながら、ボールをとらえ、とらえると同時に走ります。
この時、ステップがバッターボックスからでないよう注意してください。
以上が、スラップの仕方ですがスイングは基本的にレベルスイングでおこない、極端なダウンスイングにならないよう注意しましょう。
なにより、ステップが重要になってきますのでステップをまず重点的に練習します。
ステップの練習法
バッターボックスの一番後ろに立ちます。
重心を前に移動させながら、右足を後ろにひきつけます。
次に左足をピッチャー方向に大きくだし、クロスさせ体をクロスさ右足を一塁方向に出します。
バッターボックスからはみ出ない様この動作を何度も繰り返し、スムーズにできるようにします。
スイングの練習法
ステップがスムーズにできるようになったら、スイングも一緒に行います。
まずはまずはボールを打たずに、ステップしながらスイングを行います。
流れるように上手にできるようになったら、ボールを前からトスしてもらいます。
このとき、フライをあげない様きちんと上からたたきつけることと三遊間方面にゴロを転がすことを意識し、しっかりバットコントロールをします。
打った後、そのまま一塁に走っていきます。
きちんとゴロを転がしバットコントロールができるようになったら、今度はピッチャーに速いボールや変化球を投げてもらい練習をします。
実際の試合で、確実に成功するよう練習しましょう。
まとめ
○スラップは普通の打撃より早く一塁に到達できる
○スラップは攻撃を多彩にし、相手を混乱させるプレーである
○スラップは確実に成功させる必要があるので、練習でステップなどきちんと身につけておく必要がある
スラップはソフトボール独特のプレイです。
足の速い、左打者が相手の意表をついて決めるととてもかっこいいです。
ぜひ、練習してコツをつかんで試合で使ってみてください。